急な出来事で心臓がドキドキしっぱなしなのと、相変わらずズキズキ痛む頭のせいで私の頭の中はパニック状態。
そんな私を他所に、五十嵐くん自身も再びベッドに横になって、布団を被った。
私にも布団を被せてくれて、2人で同じ布団の中に入った状態になる。
布団の中で、五十嵐くんの体温が伝わってきて、心臓のドキドキが止まらない。
「これでよし。あとは…」
そう言うと、五十嵐くんは私の方に体を向けて手を伸ばし、そのままゆっくりと頭を撫でてくれる。
五十嵐くんの大きな手。
あったくて、優しくて、気持ちいい。
「…松田さん、偏頭痛持ちなんでしょ?」
「うん。そうだけど…なんで知ってるの?」
「天気の悪い日の松田さん、後ろにプリント回す時に、いつも『頭、痛い』って顔してるから分かる。」