保健室にようやく辿り着き、コンコンとドアを叩いた。


「失礼しまーす。」


扉を開けて中に入ったけど、誰もいない。


保健師の久保田先生の机の上には『会議中』という札が立てられていた。


――先生いないけど、とりあえずベッドで休ませてもらおう。頭、痛すぎて立ってられない…。


フラフラとベッドまで近づき、カーテンを開けて布団の端を捲った。


そこから体を滑り込ませてベッドに横になると、手を伸ばして再びカーテンを閉める。



「へぇ、松田さんって結構、積極的だね。」


「え!?…っつ!!」


慌てて振り向いたけど、振り向いた勢いで頭痛が更に増して思わず頭を抱える。


ゆっくり目を開くと、私が今しがた体を滑り込ませたベッドの右半分の方で、五十嵐くんが布団を被って横になっていた。


「ご、ごめんなさい!頭が痛すぎて、全然気付かなかった…。あっちのベッドに移動するから待って――」


「いいじゃん別に。一緒に寝ようよ。」


「はい!?」


――何!?一緒に寝ようって、どういうこと!?ちょっと意味取り違えたら大変なことに…!!