「いったぁ…」
「紗英、大丈夫?また偏頭痛?」
「うーん、そうみたい…。今日、痛み止めの薬がなかなか効かなくて…」
私はズキズキと痛む頭を抑えながら、心配そうに覗き込むクラスメイトで仲良しの森元亜紀に、なんとか言葉を返す。
今日の天気はどんよりした曇り。
こういう日は、酷い頭痛に襲われがちだ。
ガラガラッ
「きりーつ」
日直の号令と共にみんな立ち上がる。
私もフラフラと立ち上がり、礼をしてからフラフラと着席した。
「みんなおはよう。出欠とるぞー。五十嵐ー」
「センセー、五十嵐くんいませーん。」
「あいつ…またサボりかぁ?ったく。…次ー、上田ー」
「ほーい」
出欠が取られていく中、頭が痛いのを我慢しながらゆっくりと後ろの席を見る。
五十嵐くんの席は私の後ろ。
でも、たまにこうやって五十嵐くんは授業をサボってるから、そこに居ないのも、もう見慣れた。