「彼女です！」

ヨンファと目が合った。彼は幸せそうに微笑んでいて、やけに眩しい。

「えっ、あんたヨンファと付き合ってたの？」

お姉ちゃんがポカンと口を開けている。その言葉で、ようやく私は自分にスポットライトが当てられていることに気づいた。えっ？何で？

「いや、私はーーー」

慌てて否定しようとすると、ヨンファがステージから降りてくる。ファンが悲鳴を上げる中、ヨンファは私の手を取った。えっ？えっ？どういうこと？何が起きてるの？ドッキリ？揶揄われてる？

「大丈夫。さあ、こっちに来て」

戸惑いで何も言えなくなる私の手をヨンファは引く。まるで夢みたいだ。嫉妬、羨望、色んな視線を浴びる中、私はステージへと連れて行かれる。「Z」のメンバーが微笑んでいる中、ヨンファが言った。

「祭凛との出会いは三年前。彼女が「Z」のライブに来てくれた時に僕は一目惚れをして、SNSのDMでやり取りを重ねていました。デートは表立ってできませんでしたが、彼女は文句の一つも言わなくて、さらに好きになっていました」