『はぁ…。』

「?どうしたの?志織?」

『…いゃ、気にしなくて良いよ…うん。』





いっそウチには構わないで下さい…お願いします。いや真面目に…。
ていうか、皆さん早くないですか?まだ7時30分なんですけど?え?普通?
嘘だろ…。誰か嘘と言ってくださいっ…!!
そんなこんなでウチは鞄を置くと、綾と流ちゃんのとこに行く。あれ?でもなんかウチお邪魔虫?二人で仲良くしちゃって。
ま、興味無いけど。





ガラガラ





「席に着いてー。」





あ、確か担任の根本先生だ。
見た目は、茶髪のショートカット。綺麗というか可愛いというか…。でも性格はいたっておおざっぱでアバウトだ。サバサバだし話しやすい。
…良い先生になったな…。
ぶっちゃけウチは先生が嫌いだった。
保護者の機嫌をとって、イジメが合っても無視だし、自分のことしか頭にない最低な奴だって思ってた。
でも、五年の時から印象が変わった。田村先生が担任になってから不登校もしなくなったし病院も数えるほどしか行かなくなった。それに、私の命を自分の命を懸けて助けた。
…嬉しかった。
だからウチは、田村先生の為に自分の罪を背負って償いながら必死に生きて行こうと誓った。
今は、不安でいっぱいだが、それと同時に好奇心もいっぱいだった。でも中学になったら規則が増える。ただそれだけは嫌だった。先輩後輩関係とか一番面倒くさい。
うざいんだよね、上から目線。
テメェが偉いわけじゃねぇんだよって思う。威張るし?





「…さてと、自己紹介は終かな?じゃあそろそろ廊下に並びましょう」






がたがたと椅子が一斉に後ろに引かれる。これが合図のように皆は一斉に廊下に出た。
水蒸気で曇った廊下の窓が、まだ寒いのを直に感じさせる。
それに伴い、廊下の空気もひんやりと冷たい。
あぁ…長い中学校生活が始まる…と思うとまた気が重くなる…ただでさえ気が重いのに…。
…早く帰りたい。