「いーから早くどけ。チビ」
ま、また言った!
一度ならず
二度までもっ‥!
「此処、あたしの家ですよっ!?出てってくださいっ」
そう。
此処はあたしの家。
暑すぎたあたしは
自分の部屋に戻ろうと
リビングから
出ようとしたときに
この人とぶつかったのだ。
ももももももしかして!!
「ど‥っ、泥棒!?」
「はあ?」
頭上から聞こえる
呆れが交じった声。
「いーやー!!!お母さーん!!」
一気にまくし立てたあたしは
そのまま叫んで
リビングに戻った。
「妃南。どうしたの?騒がしい」
リビングに戻ると
そこには何くわぬ顔で
お菓子を頬張っている、お母さんが。
「どっどどど泥棒!泥棒だよぉっ」
今にも泣き出しそうなあたしを
まんまと無視して
「あらら、大変ねー」
なんて、言って
また、お菓子を一口。