待っててくれたの?
そう思うよりも前に
「おら、早く行くぞ」
響くんが
口を開いた。
「え、あ!‥うんっ」
あたしは慌てて
先を歩き出した響くんの後を追った。
‥のは良いけど。
は、早い!!
身長差、多分25cmぐらいある
あたしと響くん。
もちろん、歩幅は全然違うくて。
小走りにならなきゃ
追いつかない。
「き‥っ、き響くんッ!!」
やっとの思いで
乱れる呼吸を直しながら
名前を呼んだ。
すると響くんは
後ろに振り返り‥
「ったく‥、歩くの遅ーな」
そう、愚痴をこぼしながらも
あたしと歩幅を合わせてくれた。