―ガチャ‥。




「おはよぅ~‥」



いつものあたしなら
ここで[♪]がつくほど
ハイテンションなのに‥




今日は全然。




テンションは
落ちる一方。




「あら、妃南!起きたのねっ」




それに比べて
お母さんは響くんと
話せて嬉しそうだし‥。




「うん‥」




はぁ、と心の中で
溜息をついて
椅子に腰掛ける。




毎朝、こんな感じなのかなぁ?



やだなぁ‥。




きっと、響くんだって
迷惑って思ってるよね。




「早く食えよ。遅刻しちまうだろーが」




チビチビと
パンを食べていた、あたしに
響くんのキツーい一言。




「ぁ、ごめんっ」




あたしはそう言って
慌ててパンを
口に詰め込む。




「あー、もうこんな時間だし。俺、行くわ」




え!???





「き、響くん‥っ」




あたしが名前を呼ぶ声も無視して
スタスタと歩いてく、響くん。




そんなに嫌なら‥
最初から断れば良いのに‥。



なんて思いながらも
心のどこかでは
嬉しい自分が居た。




もしかしたら
昔みたいに
戻れるんじゃないかって‥。