耳に響くのは
セミの鳴き声と


あたしの心臓の音だけ。




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「邪魔。どけ、チビ」


「えっ‥‥?」





それは
暑い、暑い夏の日。




鼻を擦る、あたしと
その前に立ちはだかる
一人の男の子。




どうやらあたしは
この人とぶつかったみたいだ。




太陽に照らされてて
顔が良く見えない。




ってゆーかっ!
今、この人
チビって言ったっ!



チビって!!!




「なっ‥誰ですか!?」




ムキになって
あたしより遥かに
背の高い、その人を
見上げて大きな声で問いかけた。