部屋に入ると暑苦しいウィッグを取り鏡の前にたった
男に見せるための短髪のウィッグを母は本物の髪だと思い込んでくれている。


どうしても髪だけは切りたくなかった
私はウィッグを作った。


ウィッグを取ると肩ほどまで伸ばした母親似のピンクがかった茶髪がはらりと重力にしたがって肩に落ちる。

女っ気のない部屋のベッドに私は膝を抱えて座った。