っ、
もう聴くことはないと思っていた声に呼ばれた気がして、その場に立ち止まった。
純も同じ方を向く。
みのりって名前の子は、これだけ人がいれば他にもいるかもしれない。だから、人違いかもしれない。
そう思いながらも、焦った声色でもう一度私の名前を呼びながらこっちへ向かってくる姿に、確信せざるを得なかった。
「え、えっと、光希?マジ?」
言葉を出せない私の代わりに口を開いたのは純。
目の前には、あの頃より少し大人びてさらにかっこよくなった光希くん。
スーツをビシッと着こなしていて、髪は黒に染まっていた。
「純・・・久しぶり。ちょっと実里借りていい?」
「え、あ、ちょ・・・おいっ!」