帰宅して、お茶を飲みながら二人でソファでくつろぐ。

大和は早速、今日のエコー写真を手帳に貼りつけていた。

なんだか急に大きくなってきたな、と恵真がお腹をなでていると、彩乃から電話がかかってきた。

「恵真さん、お元気?体調はどう?」
「彩乃さん!元気です。今、ちょうど健診から帰ってきたところで」
「あら、私もなの。それでねー、聞いて!性別分かっちゃったの」

ええー!ほんとですか?と大きな声を出してしまい、何事かと大和が様子をうかがってくる。

「エコー始めた途端、足をパッカーンて開いてるのが映ってね。私も真一さんも、あ…って。先生も、そんなに見せつけなくてもって。もうみんなで大笑いよ」
「え、ってことは、もしかして?」
「そう、男の子よ」
「わあ!男の子!」

思わず笑顔になると、大和がこっそり聞いてきた。

「野中さんと彩乃さんの赤ちゃん、男の子なの?」

うん、と恵真は頷く。

「そっかあ!男の子かー。パイロット目指すのかな?」

大和は、ほわわーんと宙を見ている。

(いやいや、あなたのお子さんではないですよ?)

恵真は心の中でツッコミを入れた。

「この間、恵真さんが言ってたでしょう?男の子だったら真一さんに似て、ひょうきん者だろうなって。もうその通りよ。産まれる前から笑わせてくれるんだもの」
「うふふ、ほんとですね。目に浮かびます。パパ、ママ、見て見てー!って嬉しそうに見せてくれたんでしょうね」
「そうなのよー。エコー写真にもばっちり写ってるの。見返す度に笑っちゃう」
「ふふ。産まれてくるのが楽しみですね!私も早く会いたいなー」
「ほんとね。恵真さん達の赤ちゃんとも、仲良くさせてもらえると嬉しいわ」
「もちろんです!こちらこそ、仲良くさせてくださいね」
「ええ」

彩乃の報告に恵真も嬉しくなり、この先の赤ちゃんの成長も、ますます楽しみになった。