「朝もっと問い詰めればよかった」

「あの、えっと……っ」

「まあ、聞いてもお前言わなかっただろうけど」

「……っ」


はぁー、と息をついてそう言う俺に天瀬は言葉を詰まらせた。


「あ、あの……っこの状況は……?」

「…怖かったんだろ」

「…っ、え」

「いいよ、俺以外いないし。強がる必要ないだろ」

「や、やだな〜!何言ってるんです……か」


分かりやすく身体が震えている天瀬は、震える声を隠すようにわざと明るく接していて。

それに気づいて、背中をポンポンと叩くと。

誤魔化すように明るく話している途中で、天瀬の目に溜まった涙がポロッと溢れた。


「な、なに……?これ……っ」

「はいはい」

「違……っ!私別に…っ、」

「もういいよ。泣けば」

「う…ぅっ」


意地でも認めない天瀬に、喋らなくていいと目線を送ると。
声を漏らして泣き始めた。