そう言って窓の外を指さした花染に、俺と識は窓の外を見る。

……っ、あれは?

裏庭の方に、数人の知らない女が天瀬らしき人の周りを囲んでいた。


「廊下出て窓見たら気づいて……っもしかしたらって……!」

「あの女子達って、春哉のファンじゃない?」

「…っ!?まさか……っ」


朝、天瀬がポロッとこぼした言葉を思い出して嫌な予感がした。
手に持ってる水を急いで識に渡して手に持たせる。


「それ持ってて……!」

「は……!?ちょ、春哉……!」


天瀬は大丈夫だと言っていた。
でも、そんなの嘘に決まってるだろ。

識と花染を置いて、俺は外に向かおうと玄関まで走り出す。

周りの視線なんて気にしてる場合じゃなく、そのまま走り続けて靴を履き替える。


裏庭……!
外に出て裏庭の方に急いで向かうと、段々と声が聞こえてきてピタッと止まった。



……何話してるんだ?