すると、天瀬は驚いたような顔をしてどこか焦ったように笑って明るくそう言った。

……なんだ?
無理やり笑っているような笑顔は初めてだ。


そんな天瀬の表情に、胸が少しザワっとしてギュッと痛む。


「本当に?」

「え、はい!なんにも!それに、何かされたとしても私強いので!」

「……何かあったら言えよ」

「大丈夫ですって〜!安心してください!」


天瀬は自分の胸にドン!と手を拳にして当ててそう言った。
それにどこか違和感を覚えながらも、とりあえずいいかと俺は前を向いた。



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いつの間にかその日の昼休みになっていて。

天瀬と出会ってから、学校が終わるのが早く感じるようになった。
朝も帰りも一緒に帰っているからだろうか……。

自販機で水を買って、教室まで戻ろうと廊下を歩く。


二年の階に着いて自分のクラスまで向かっていると、その間に弁当箱を片手に持つ識と会って。