それに……同じ匂いってなんだ?俺も重いってことか?

……はっ、そんなわけ。


「別に、今は花染のことなんとも思ってない」

「うん、そんな感じしてた。じゃあさ、春哉の中でパッと思い浮かぶ女の子は誰?」

「……え、」

「……いや〜ほんとおもしろいわ春哉って。当ててあげようか?」

「……いい、もう行く」

「そう?じゃーね」


パッと思い浮かんだ女子。

……半年以上仲良くしてる花染じゃなくて、昨日出会ったばかりの天瀬だなんて。

思い浮かべた時の俺の反応を見た識は笑顔で当てようとしてきて。

それに誤魔化すようにプイっと顔を逸らして、次の授業のために教室に戻ろうと歩き出した。


後ろから聞こえる笑い声に、変な感情が沸き出てくる。

……あーもう最悪だ。頭から離れてくれ。
俺自身に困惑しながらも、耳が熱くなっているのを自分でも感じた。