子供は意外と鋭い。
そんなつもりはなかったのに、そう言われると少し恥ずかしくなってしまう。

はぁー……気が緩みすぎか、俺。

なんて思いながらも、今更気を引き締めるなんて無理だった。



────────────────
────────



次の日の朝。
眠気と戦いながら家を出て学校までの道を歩く。

もうすっかり雪は溶けてしまっていて、所々白いのが残っているぐらい。
天気はいいが寒いものは寒い。


……というか、天瀬は学校までの道わかるのか?
なんて俺にとっては気にしなくてもいいことを朝から考えてしまって、あーと髪をかきあげた。


そのまま、昨日天瀬と別れた場所まで来ると。


「わっ!!」

「……」

「え!全然びっくりしないじゃん!おはようございます!」

「……なにしてんだ朝から」


近くの電柱に隠れていたであろう天瀬が、俺の事を驚かそうとしてきて。
目の前に急に現れた天瀬にピタッと足を止める。

……朝から騒がしい。