…こんな言い方したら傷つけてしまうかもしれない。


すると俺の言葉が予想外だったのかポカンとしている天瀬は俺の表情を見て口を開いた。


「そんなことしません」

「……!」

「人の連絡先勝手に教えるとか私に得しないですし。春哉先輩女嫌いなのにそんなことするわけないでしょ!」

「…でも、天瀬聞かれたんだろ?俺の連絡先教えろって」

「…?……ああ、それのことか!」


何言ってるんですか、とでも言うような表情で俺を見つめる天瀬。
俺の言葉を聞いて、納得したような声を出して言葉を続けた。


「聞かれましたけど、教えませんよ〜!あの時は適当に流したんですけど、聞くなら自分で聞けって思ってましたし」

「……そうか」

「大体、普段春哉先輩に近づく勇気ないのに連絡先交換してどうするんでしょうね。今日一日過ごして、みんな春哉先輩のこと怖がっててちょっとムカついちゃいました!怖い人じゃないのに!!」

「……はっ」