……なんだよその顔。

目を見開いて俺を見る天瀬に、う…っと言葉に詰まってしまう。


「…っえへへ」

「……っ、何笑ってんだ」

「いやー?不器用だなって」

「……はぁ、帰るぞ」


笑う天瀬に調子が狂ってしまって歩き出すと、待ってくださいよー!と後ろから着いてきた。


「あ、そうだ!」

「なに」

「連絡先交換してください!」

「……え」


俺の隣に来て思い出したようにそう言った天瀬に、ドクンと脈打つ。

……連絡先って……まさか、さっきの女達に?

学校に出る前の女達の会話を思い出して、心のどこかでショックを受けたような気持ちになる。


「……聞いてどうする?」

「え?それは……」

「…周りの女に渡す気?」

「……はい?」


違うと言ってほしくて、そうだと言われたら怖くて、目を合わせられない。
こんな言い方したいわけじゃないのに冷たい声と口調になってしまって、まずいと思って天瀬の方を反射的に見てしまう。