……声がでかすぎる。


「よかったぁぁあ!!」

「はぁ?」

「道わかんなくて……っ!!」

「……」


本当に焦っていたのか、若干目がうるうるしていて。

……でも、朝と同じ状況すぎて俺からしたら呆れでしかない。


「私気づいたんですよ!スマホでマップ見ればよかったんだって!だから見ようとしたら、充電切れてたんです!!」

「……朝、覚えとかなかったのは誰だっけ?」

「私です……」


俺の言葉に、萎縮しながらそう言う天瀬。
今回はさすがに反省しているようで、ふぅと息を吐く。


「…雪積もってる中道覚えても、雪溶けたら景色変わるからどうせわかんなくなる」

「……?あ、確かに……?」

「……」

「…え、まさか、今私の事励ましてくれました……!?」


だから、別に今覚えてなくてもいいだろ。

そう言いたいはずなのに、上手く言葉にするのが少し照れくさくて口にすることが出来ずにいると。

天瀬はそんな俺の言葉の裏を読んでハッと驚いたような顔をした。