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あれから放課後になって、防寒対策をした俺は教室を出る。

真っ白な景色を窓から見ながら玄関に向かっていると。


「…あ、日野春哉先輩だ……っ!!」

「めっちゃかっこいいよね……っ」


周りにいた知らない女達が俺の話をしているのが耳に入って。
思わず顔を歪めそうになってしまう。


「…私さ、春哉先輩の連絡先知りたすぎて……さっき陽乃ちゃんに連絡先聞いてきてもらえないか言っちゃった!」

「え、まじ!?春哉先輩ファンの先輩達怖いから、バレたら呼び出しだよ絶対」

「だからバレないようにしなきゃなんだよ……!春哉先輩のファン民度悪いよね」

「ほんとそう怖すぎる。当の本人は女嫌いだから、誰も話しかけに行けないし……だから陽乃ちゃんの存在まじありがたい!」


……は?
嫌でも聞こえてくるそんな会話に、手に力が入る。
連絡先……天瀬は勝手に人に渡すようなことするやつじゃないと思うけど。