困惑する花染は、何が何だかわからなくなっていて。
「本当に綺麗……!お名前教えてください……!!」
「え…っ?えっと、花染雪音です……っ」
「雪音先輩っ!!好きです!!」
「え、えぇ……っ?」
天瀬の突然の告白に少し顔を赤らめながら動揺する花染に焦る。
「おい、天瀬。花染が困ってるだろ」
「な…っ!!…もしかして、春哉先輩のかの……」
「違う!!!」
まさか……と言い出す天瀬の言葉を遮って否定する。
変なやつだよ天瀬お前は……!!
花染は噂のこともあって人に好意を向けられること自体が慣れていないから、よく分かっていないのだろう。
すると、識がフッと笑って。
「残念、雪音の彼氏は俺だよ」
「わ……っ」
「え……!?」
そう言うと花染を手馴れた様子で引き寄せた。
花染はそんな識に顔を真っ赤にしている。