そう言った識に、ピタッと固まる。

なんだよおもしろかったって。
……まあ確かに、識からしたらおもしろいかもしれない。
さすがに取り乱してしまった。


「すごいね君、春哉と普通に話せるなんて。一年生?」

「あ、そうです!昨日転校してきました!」

「え、転校生?そりゃあ春哉が女嫌いだって知らないか」


納得、と何度も頷く識はチラチラ俺の方を見てきて。
無性に腹が立つ。

はぁ……とため息をついて頭を抱えようとした時。


「識くん春哉くん」

「雪音?」

「…あれ?女の子……?」


識の後ろから、俺と識の名前を呼ぶ声がして。
そんな花染の声にいち早く反応した識は、パッと振り返った。

俺たちの所に来た花染は、天瀬に気づいて首を傾げている。


「え……っ」

「……?」

「す……っごい美人……っ!!!!」

「へ…?」


天瀬はそんな花染を見て一瞬固まったかと思うと、目をキラキラさせて花染に近づいた。