「なにしてんの?」

「自販機行く」

「あーなるほどね」


そう識に聞かれ質問に答えると納得したように頷いていて。

あれから、識との関係は悪くない。
すれ違ったら話すし、たまに必要な時はメッセージを送る時もある。

すると、周りからの視線が増えザワザワとし出した。
それに分かりやすく俺は顔を歪めてしまう。


「ほんとに嫌いだよね、女の子」

「ああ。特にこういうところがな」

「熱い視線がね〜」


笑った識に正直に頷いてそう言う。
そう言う識も、別に女好きじゃないだろ。


「でも春哉今日めっちゃ噂されてたじゃん」

「……」

「えっ、待て、あの噂ほんとなの?女の子と登校したって」


識に言われ、思わずピタッと固まってしまう。
そりゃそうだ、噂になっててもおかしくない。

識のありえないとでも言うような顔に、なんて言おうか悩んだ時。


一瞬周りを見渡すと、一人の女が視界に入った。