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それから下駄箱で天瀬とは分かれて教室に入る。
教室に入ると感じる突き刺さるような視線にゾワッとしながら荷物を置く。
……はぁ、なんだったんださっきのは。
いつも通りの朝だったはずなのに……今日はガラッと変わった朝だった。
……天瀬陽乃。
でも、あいつがああしてられるのは今だけだ。
どうせすぐ知ることになる。俺が女嫌いだってこと。
そうしたらきっと態度も変わる。
話しかけてこなくなるか?それとも話し方などの距離感を配慮してくるか。……それか、怖がられるか。
まあべつにどうでもいい。
怖がられるのはいつものことだ。最初は花染にまで怖がられていた。
天瀬の態度が変わろうが俺には関係ない。
『私に気を許してくれたら』……だなんて、そんなことは起こらない。
はぁ、とため息をついて、周りの視線から抜け出そうと廊下に出ようとする。
いつものルーティーンだ。