さっきから何を言ってるんだ?

純粋な目に見つめられて、頭の中が混乱してくる。

すると、俺の疑問を読み取ったのかハッとしたような顔をして。


「あ……!えっと私、昨日転校してきたばっかなんです」

「……え」

「はい!一年の天瀬陽乃(あませ ひなの)です!
昨日は親が送ってくれたのでなんとかなったんですけど、今日は何も考えずに家を出てきたら道に迷いました!」

「……」


なんでこんな堂々と道に迷ったって言えるんだ……。
あまりの素直さに圧倒されてしまう。

でも、転校生と言われれば確かにさっきまでの謎行動の辻褄が合う。


「あの、もし良ければ着いて行ってもいいですか!?」

「……」

「だ、だめですか……?」

「……好きにすれば」


キラキラとした目で見る目の前の女の瞳には、よく他の女に向けられる気持ちが悪い媚びが映っていなくて。