お前に言われてもビビるわけないだろ、と思いながら、無視して歩き出すと。


「え……!?ちょっとまって!ほんとにまってー!!」

「……うるさい、邪魔」

「助けてくれてありがとうございました!でも待ってください、私ほんとに困ってるんですー!!」


焦ったかのように俺の前に立ち塞がる女。
……なに、まだあんの?邪魔なんだけど。

睨む俺に、動じずにそう言う女は本当に困ってるような素振りをする。

……俺が気にすることじゃないが。


「うわっ、え!?すっごくイケメン!!」

「……」

「って、そうじゃなくて!あの私、道に迷ってて!」

「……道?」

「はい!学校までの道が分からなくて……」


……は?
何を言ってるんだこの女は。
学校までの道が分からないなんて。


「……あれ?その制服……見覚えある」

「……同じ学校だけど」

「…っえ!?…あ、そういえば男子こんな感じの着てたかも……?」

「……なに、お前」