「あの……やめて!」


少し遠い、前の方からそんな高い声がして。

……なんだ?
そう思って、そっちに顔を向けると。


「えー?学校サボって俺らと遊ぼうよ」

「キミ可愛いし、絶対後悔させないから」


俺の視界には、二人のガラの悪い男と、制服を着た背の小さい女。

会話を聞いて状況を察する。
はぁ……最悪、朝から面倒なことすんなよ……。

助けるもなにも、俺は女嫌い。
近寄るのも正直不快だし鳥肌が立ちそうになる。

でも、スルーして横を通るのも俺には出来なくて、歩くスピードを遅くする。

……あの女、同じ学校の制服……?


よく見ると、彼女が着ている制服はうちの学校のもので。
てことは……あの女が俺のことを知ってる場合、余計面倒なことになる可能性がある。

そう考えると自然とため息がこぼれて、どうしようと困ってしまう。


そんな時。
チラッと周りを見だした制服の女が、俺の方を見た。