それにケラケラ笑う子供二人を見て、顔には出さないけど心の中でハッと笑う。
「俺もう行くから。遅刻すんなよ郁、奈留」
「「はーい!行ってらっしゃい!」」
じゃあな、と軽く手を振って歩くと二人は楽しそうな笑顔で手を振り返してきた。
騒がしかったのが一気に静かになり、また白い息を吐く。
ふと上を見ると、パラパラと雪が降っていて自然と手を伸ばした。
雪見て思い出すのが花染とか……ほんと、俺も懲りねえな。
そんな自分に心の中で笑いながら、親友の彼女の名前を思い出してしまう。
しょうがねえだろ、名前に雪が入ってんだし。
はぁー……やめやめ。
思い出せば止まらなくなる。
二人の幸せが一番だ。どうってことない。もう過去のことだから。
それに、この一人静かな世界が俺にぴったりで心地いい。
そう思いながら、学校までの道のりを歩いてる時がきっかけだった。
────俺の一人静かな世界に……ヒビが入ったのは。