一月。


「うわ……」


三学期が始まって二日目の朝、家を出ると辺り一面が真っ白に染まっていて。


……雪、降ってんな。


あまりの寒さに学校に行くのが憂鬱になりながらも、いつもの道に出て歩き出した。



「あーっ!春哉兄ちゃんだ!」

「おはようはる兄!見て見て、今雪だるま作ってるの!」

「…お前ら、学校だろ。風邪引くぞ」


白い息を出しながら歩いていると、隣の家から元気な声が聞こえてきて。

そこには男女の子供が二人、雪だるまを作ってはしゃいでいた。


男の方が郁(いく)で女の方が奈留(なる)。
隣の家に住む小学生の兄妹だ。


「春哉兄ちゃんも一緒に遊ぼうよー」

「やだね。俺もう学校行くし」

「えー!じゃあ帰ってきたら!」

「寒いの嫌いだから俺」

「「ケチー!!」」


俺の返答に大きい声を出しながら反応する子供に、なんで朝からこんな元気なんだ……と耳を塞ぐふりをする。