今でも建築士に色んな事を願ってできたこのマンションは気に入っている。




他のと比べれば結構高いが、住民からも
いい評価をもらっているのだ。




鍵を開け、扉を開く。




愛する彼女の声がする。




「おかえりなさいっ!湊っ!」




「ただいま。千代華。はいこれ。」




「わぁ……っ!すごい綺麗な花束ありがとうっ大好き!」




「俺も大好き。俺と結婚してくれてありがとう。」





「なんか照れくさいなー。見てこれっ!
ケーキ作ったんだよ?美味しそうじゃない?」



「美味しそー、チョコケーキ?」


「うん!こっちがミルクチョコケーキで、
こっちがブラックチョコケーキだよ!」




「俺、甘いの苦手だから……か、ありがと」


「いえいえー……ってうー、」



急にお腹を抑えながら泣き出しうずくまる
千代華。




「千代華?どうしたの、」





「最近情緒不安定にかねて体調不良にかねてご飯の匂いが憎く感じるの………」





「……ん?は?」

どゆこと?



「…………えへへ、これ見て!」





そういって差し出されたのはエコー写真




「湊はお父さんになったんだよ!」




「……っ、千代華!」




初期のつわりだったらしい。




「愛してる、千代華。」


「私も大好き!愛してるよ!」





そうして軽くキスを交わした。




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出会えた奇跡

ともう一つの奇跡の起こった日


湊side end

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10月1日