「ああ、アサルト。」

どうやらグレネさんと知り合いらしい。
入ってこれたということは、合鍵があるという事だろうか。

「北海道の任務の時に買ったまんじゅう、これが美味いんす、って、」

アサルトと呼ばれた男は、ソファに横たわる私の姿に気が付いた。

「か、か、彼女!?!?!?」

興奮気味のアサルトとは裏腹に、グレネは冷静に答えた。

「違う。」

「もしかして、ずっと前から言ってた探してる人って、」

アサルトはグレネに言った。

「シッ。黙っとけ」

グレネはそう言うと、私の額の冷却シートを交換した。

「寝室で寝とけ。連れてくから。あとお前、アサルト、少しここで待ってろ。ここ座ってていいから。」

グレネは私をそのまま姫抱きにすると、私は寝室へ運ばれた。
グレネは私をベッドに寝かせると、私の頬に手を添えて、温度を確認してから私に話しかけた。

「アイツが帰ったらさっきの話の続きする。だからもう少しだけ待てるか?」

グレネは、優しく柔らかい声で私にそう言った。

初対面の時とはまるで違う優しい口調に、
私の体を巡る血液が、更に熱を帯びていた。