助手席に乗り込むと、男は大きなタオルを私に投げつけ、「体を拭け」と命令された。

私は言われた通りに体を拭いた。
男は運転席から私の様子を伺っている。

すると今度は後部座席から毛布を取り出し、私にまた投げつけた。


_これが、私に残された最期の幸福なんだ。


完全にこの後殺される人のセリフが頭に浮かんだ。

男は毛布にくるまる私を見ると、エンジンをかけて車を発進させた。

私は途端に眠気に襲われた。