「告白してきた3年のイケメンと一緒に行く約束をしてるし」

「マジでー! かっこいい人?」

マミちゃんは興味津々でたずねてる。

「え、ちょっと待って。しずちゃん……まだ沢部くんのことが好きなんじゃ……」

この前、練習をしているときも、しずちゃんはスマホを片手に悩んでたよね?

そんな気持ちで他の人とだなんて……。

そう意見すると、彼女はしらけた表情を見せる。

「ああ、あのとき? 一度にふたりから告白されて困ってただけ。沢部で悩んでたわけじゃないよ」

「ええっ。わたし、てっきり……」

「勉強ばっかでプライドの高い男なんてもうどうでもいいよ。今は次の恋で忙しいし!」

まだ沢部くんのことが好きなんだろうな、って思ってたのに……。

しずちゃんはもう気持ちを切り替えているみたい。

展開の早さに驚いていると、マミちゃんが小声で囁いてくる。
「実は……わたしもね、誘われたんだ~」

そう言いながら、彼女は教室の窓際に目を向けている。視線をたどると、そこにいたクラスメイトの男子がヘラッと笑いながら、マミちゃんに手を振り始めた。

「うそ、マミちゃんまで?」

何、みんなモテ期到来!?

「し、しずちゃん! わたし聞いてないよ!? しずちゃんが告白された話!!」

「言ってないもん。“付き合う”って決めたら報告するつもりだったし」

「そ、そんなぁ……」

じゃあ、わたしはどうすればいいの?

ひとりでパーティーなんて行けないよ……。