一体なんなの。

品定めをするような感じで見てきたり、小馬鹿にした顔でつぶやいたり。

「あの英語、絶対悪口だった」

大体さぁ、あの格好は何?

露出しすぎでしょ。胸元、開きすぎ。

胸がデカいことを自慢したいわけ?

アメリカの人ってみんなあんな感じなの?

「ていうか、土足だったし」

みんなは気づいてなさそうだけど、さっき見たら、ハイヒールのまま校内に入ってた。

スリッパ履きなよ、スリッパ。

「……歩」

それにしても、ウチアンタキライヤワって……。

関西弁の発音がちがうし、嫌いで結構です!

「……果歩」

つうか、ユノはなんであんなの連れてきたわけ?

“シューサク”って呼ばせて……べったりくっつきすぎ。

「あー、ホント面倒くさい……」

「あんたもだいぶ面倒くさいよ、果歩」

「……あ」

キライと言われても何も返さずに教室を出たわたし。

トイレの洗面所で鏡を見ていたら、突然現れたしずちゃんが目の前の蛇口をきゅっと締めた。

「遅いから様子を見にきたら、水を流しっぱなしでずーっとブツブツ言ってるし」

「え、いつからいたの?」

「……結構前から。あんた、周りから変な目で見られてたよ?」

「う、うそ……」

まさかと思いながら周りを見ると、数名と目が合った。

彼女たちは顔を背け、急いでトイレを出ていく。