そのあと、わたしとユノは一緒に戸締りをして、教室を後にした。
「わぁ……まだ残ってる子がいるんだね」

靴を履き替えているときから、金づちの叩く音が聞こえていた。

校舎を出るとペンキや木材を持った生徒が前を通りすぎてく。

「ちょっと見に行ってみない?」

他のクラスの出し物も見てみたくなった。

縁日にあるような屋台が沢山あってワクワクしたの。

ユノの返事を待たずにスタスタ歩く。

「すごーい……」

焼きそばのクラスに、クレープのクラス……向こうは水風船かな?

ずらりと奥まで続く、屋台作りの風景。当日を想像すると胸が膨らんだ。

「あ、あっちのクラスは……」

中学とは違う規模の大きさに夢中だった。

もっと見たい、もっと見たい、と足早になる。

だから……。

「果歩ちゃん!! 危ない!!」

ユノが叫ぶまで気づかなかったの。

自分の足が敷いてあるブルーシートに引っかかっていたことに。

声に振り向くと同時に、わたしは大きな影に覆われた。

すぐそばで立てかけてあった大きな板が、こっちに倒れてきて……。