その1週間後も、わたしたちのクラスはまた文化祭について話し合っていた。
「それいいじゃん! じゃあ、客は真ん中に立たせる?」
「のがいいだろ。他の色だと微妙じゃね?」
「じゃあ、客はレッド役だな!」
男子たちもいくつか案を出し合っていて、今はその中の戦隊モノのシーンについて話し合っているみたい。
わたしたち女子も、
「あ、このセリフ知ってる! 単行本も持ってるよ!」
「うちのクラスってイケメンが少ないよねー。それが残念だわ」
「わぁ! このセリフいい! わたしもお客になりたーい!」
わたしがピックアップした少女マンガのシーンで話し合い。
みんなの反応は思っていたよりも良くて、スムーズに事が運んでいる。
けれど、ひとつ難問ができた。
「壁ドンやアゴくいはいいとして……これはやめといたほうがいいかも」
「うん……いいシーンだと思うけど。何度も繰り返せば疲れてくるんじゃない? 担当する男子は」
お姫様抱っこ、について反対する子たちが出てきたの。
「でも、このマンガ……超人気だし、このシーンに憧れている人は多いはずなの」
「だね。わたしでも知ってる有名なマンガだし、絶対に喜ばれるシーンだと思う」
できれば外したくない。そう意見すると、マンガを読まないしずちゃんも賛同してくれた。
でも、女子の多くは困った表情を崩さない。
「でもさぁ、ウチの男子ってひ弱なヤツ多いし」
「疲れるとか不満を言ってきたら面倒じゃない?」
みんな、外す方向で考え始めている。
「……そうだね。抱っこするのは男子だし」
本当はやりたい。このシーン、本当に大好きだし……。
でもこれ以上、意見を押し通せば、不満に思う子も出てきそう。
仕方なく、わたしはみんなの意見にうなずく。
と、そのとき、