その夜、しずちゃんはメッセージを送ってきた。
『今日はごめんね』
その言葉は何に対してなのだろう。
一緒に帰らなかったこと? それとも……。
『沢部くんと付き合ってたんだ?』
『うん』
既読がついてから返事が届くまでに間があった。
『そっか。知らなかったよ』
半分、嫌味を込めた。
けれど彼女は、
『まぁ、もう別れたから』
終わったことだから、と言うかのようにひと言で済ませてくる。
「……」
すっきりしない。
“なんで言ってくれなかったの?”と寂しく思う。
最後に届いた、おやすみのスタンプ。
わたしはしばらく、スマホの画面から目を離さなかった。