「……え」

目が点。

「あ、果歩ちゃんも食べる? 待ってる間、ヒマだからまた注文したんだ」

……ヒマだから注文。

よく見ると、ユノの前にはチキンの箱や紙くずが山のようにあって……。

あ然とし、隣を睨むと、

「いや、さっきの話は……全部ホントだから」

鮎川も驚いているのか、気まずそうにそっぽを向かれた。

けれど、

「……ま、いっか」

鮎川の話が本当なら、食欲はどうあれ……ユノを見る目は変わる。

「しずちゃん、そのジュースちょっとちょうだい」

「いいけど、もう氷しかないよ?」

「えー、じゃあまた買ってくる」

あーあ、今日からダイエットしようって思ってたんだけどな。

そう心の中でつぶやきながら、わたしはユノにもらったチキンを頬張った。