「ユノも細いほうがいいよね!?」
できれば名指しで言いたくはなかった。
でも「ユノ」って声をかけなきゃ、食べることを止めなさそうだし。
身を乗り出して話を振ると、ハンバーガーに向かって大きく口を開いていた彼は、
「ん~」
天井を見上げ、考えるような態度をとる。
そして、
「どんな果歩ちゃんでも好きだよ」
二重あごをくっきり作って微笑んだ。
「……」
そんなこと言ってほしいんじゃない。
「わたしは……太ったらダイエットするの」
そこまで放ってはおかない。
「今日だって、パスタ……少なめにしたし」
ユノは気にせず食べてたよね。おかわりまでしてた。
「わたしは太ってるよりやせてるほうがいい……」
もう少し気にしてほしい。
苛立ちが募る。
この気持ちをわかってほしいのに、ユノは全然気づいてくれない。
イライラして言葉も選べなくなってる。
とげとげしい口調になったせいか、しずちゃんと鮎川は喋らなくなった。
すると突然、ユノはハッとした顔で「ごめん!」と謝ってくる。
「……うん」
やっと伝わったか、と思う気持ちもあるけれど、ここまではっきり言いたくはなかった分、気まずさも感じる。
うつむくわたしにユノは優しい声で囁く。