「何してんの、男子たち」

「さぁ……」

マミちゃんたちも同じ方向を見て、首を傾げる。

そこにいたのはユノと鮎川(あゆかわ)、そしてクラスの男子が数人。

湯上りで浴衣姿の彼らは、なぜか一般の宿泊客と一緒にいる。

男子たちがゲラゲラ笑う中、ユノは老夫婦に体を触られていて……。

お孫さんらしき小さな女の子が、ユノと握手しながら無邪気に笑った。

「ありがとう! お相撲さーん!」

っ!?

耳を疑ってしまう。

「え、間違われたのかな?」

「ま、まさかぁ……」

マミちゃんたちも驚いている。

3人の一般客はユノたちから離れ、こっちに歩いてきた。

その会話に耳を済ませると、

「有名なのかねぇ?」

「お弟子さんがユノマエ部屋だって言っとったけどなぁ……」

「聞いたことないねぇ……でもまぁ、いい思い出になったわ。よかったねぇ、握手してもらえて」

「うん! 大きかったー!」

老夫婦は浴衣姿のユノをお相撲さんだと間違え、その周りにいる細身の男子たちのこともお弟子さんだと思い込んでいる様子。

会話を聞いたマミちゃんたちは口を両手で塞いで笑うのをこらえている。

わたしは小さくため息をつき、もう一度、彼らを見た。

爆笑する男子たちに囲まれるユノは、同じように笑っていた。

間違われてもまったく恥ずかしくないみたい。

その様子に呆れていたら、