「あー……うん」

実際は、間を置いてからうなずかれた。

「……えっと、お店はこっちだって」

ユノはやっぱり食べることを避けているのかな……。



案の定、そのあとのファミレスでもユノの様子はおかしかった。

「そんなに混んでないね!」

「……うん」

「時間が早いからかなぁ?」

「かもしれないね」

話しかけても浮かない表情。

「ユノは何を注文する?」

「んー……」

同じようにメニューを見ていたのに、

「まだお腹が空いてないから」

結局、頼んだのはドリンクだけだった。

ご飯を食べたのはわたしだけ。もらえるケーキもひとり分。

「少し食べない?」

「ううん! 果歩ちゃんだけで食べていいよ!」

ユノはひと口も食べようとしない。

無理をしているようにしか見えなかった。

「ホントに空いてないの?」

「うん!」

そんなわけない。

数ヵ月前はハンバーガーを6つも食べていたよね? 花火大会でも、焼きそばやたこ焼き、カステラ焼きにイカ焼き、そしてかき氷……とたくさん買っていたの。

今日はまだ晩ご飯も食べてないんでしょ?

なら、ひと口分のケーキすら入らないなんて絶対にウソだ。