「お断りします!」

睨みながら叫ぶ。

「先輩とは行きません! ユノと行くんで!」

いくら見た目がよくたって、こんなふうに傷つけるようなことを言う人は嫌だ。

「……最低!」

わたしも同じような言葉を口にしたことがある。

“少しはダイエットしたら!?”

“そんな体型でも美人に好かれてラッキーじゃん!”

ユノの体型を気にしてばかりだった頃を振り返ると、自分のことを棚に上げているように思えてくる。

だけどね、

「……もう行こう、ユノ」

悔しかったの。

ユノのことを何も知らないくせに、ってムカついたんだ。

「気が変わるのを待ってるよ!」

背を向けても、先輩はまだ声をかけてくる。

わたしは振り返らずに、ユノの背中を押してその場を去った。