「果歩ちゃん、なんであの人と……一緒にいたの?」
「ああ……これに誘われたの」
聞かれて視線をユノに戻すわたしは、先輩から渡されたハロウィンのカードを見せた。
「ユノと行く予定だから断ろうとしたんだけど……話が通じなくて」
面倒くさい流れになっていたことを話すと、ユノはわたしの手からカードを奪い、険しい表情でそばを離れてく。
「ユ、ユノ……」
声をかけても振り返らない彼。
ツインテールと話す先輩のそばへ行った彼は、
「オレと行くことになってるんで、誘わないでください!」
きつい口調でそう言って、カードを突っ返す。
先輩の目はユノに向き、ふたりは静かに睨みあう。
「湯前くん?」
きょとんとしたツインテールが声をかけても、ユノは返事をしない。
先輩は返されるカードを眺め、フッと笑みをこぼした。