しずちゃんいわく……どうやらわたしは、面倒くさい人に好意を持たれてしまったようで……。
「刺激的な夜を、キミにプレゼントするよ」
キラオ先輩はわたしの髪に触れ、満足げに囁いてくる。
「……え?」
一緒に行こうよ、ってこと……?
「遠慮はいらない。僕なりにキミの気持ちには応えるつもりだから」
“遠慮”? “わたしの気持ち”? “応えるつもり”……?
引っかかる言葉が沢山あって、眉間を寄せてしまう。
隣にいるしずちゃんに助けを求める。
「っ!」
「あ……」
目が合った瞬間、彼女は慌てて顔を背けた。
わたしを巻き込まないでね、と言うかのように。
「うぅ……しずちゃん……」
ひとりでこの人の相手をしろ、と?
「あー……その……」
とりあえず、顔のそばにある手から髪を取り戻す。
すると先輩は、
「衣装の心配もいらないよ。こちらで全部、用意しておくから」
手持ち無沙汰になった手で自分の髪をかきあげ、勝手に話を進めだす。
「いや、わたしっ……」
急いで断ろうとした。けれど、
「ああ、ヘアメイクも用意したほうがいいよね。親の知り合いでヘアメイクアーティストがいるから……」
先輩の耳に私の声は届いていないみたい……。
「あの! 先輩!」
声を張り上げた。お願いだから聞いて、と叫ぶように。
先輩は話すのをやめて、こちらを見てくれた。
ホッとして息をつくわたしは、ちゃんとした断り文句を考える。
でも、話し始める前に先輩はまた口を開いた。
「刺激的な夜を、キミにプレゼントするよ」
キラオ先輩はわたしの髪に触れ、満足げに囁いてくる。
「……え?」
一緒に行こうよ、ってこと……?
「遠慮はいらない。僕なりにキミの気持ちには応えるつもりだから」
“遠慮”? “わたしの気持ち”? “応えるつもり”……?
引っかかる言葉が沢山あって、眉間を寄せてしまう。
隣にいるしずちゃんに助けを求める。
「っ!」
「あ……」
目が合った瞬間、彼女は慌てて顔を背けた。
わたしを巻き込まないでね、と言うかのように。
「うぅ……しずちゃん……」
ひとりでこの人の相手をしろ、と?
「あー……その……」
とりあえず、顔のそばにある手から髪を取り戻す。
すると先輩は、
「衣装の心配もいらないよ。こちらで全部、用意しておくから」
手持ち無沙汰になった手で自分の髪をかきあげ、勝手に話を進めだす。
「いや、わたしっ……」
急いで断ろうとした。けれど、
「ああ、ヘアメイクも用意したほうがいいよね。親の知り合いでヘアメイクアーティストがいるから……」
先輩の耳に私の声は届いていないみたい……。
「あの! 先輩!」
声を張り上げた。お願いだから聞いて、と叫ぶように。
先輩は話すのをやめて、こちらを見てくれた。
ホッとして息をつくわたしは、ちゃんとした断り文句を考える。
でも、話し始める前に先輩はまた口を開いた。