「はい! どうぞ!」

「ありがとう!」

金魚すくいで遊んで、お土産に1匹をもらう。

そういえば、しずちゃんが前に言ってたなぁ……。

“力士はさ、ああ見えて体はかたいんだよ”

男子たちと遊ぶユノを眺めながらの会話で、筋肉でかたいことを教えてもらった。

ユノは力士じゃないし、もっと柔らかいよね?

「……これはちょっと柔らかすぎるね」

帯の上にぷよんと乗ったユノのお腹。それを見ながら、水が入った巾着袋を触った。

「ん? どうかした?」

「えっ、あ……ううん!」

変に思われないよう笑顔で返したら、首を傾げていた彼はまた屋台に目を向ける。
「……」

水風船くらい? ……あー、あれはかたすぎるか。

ヨーヨー釣りで遊ぶ人たちの手元を眺め、そのあと、またユノのお腹を見た。

ふと頭に浮かんだのは、文化祭でのユノとエイミー。

“I've missed this chubby belly of yours”

“That tickles!”

お腹を触らせてたよね。

くすぐったそうにしていたユノを思い出す。

「たこ焼き、果歩ちゃんも食べる?」

「……うん」

そういや、クラスメイトの女子たちが触っているところも見たことある。

気持ちいい、って言いながらつまんでた。

「もうすぐ始まりそうだから、あっちへ行っとく?」

「うん、そうだね! 向こうのほうが空いてそう!」

わたし、ちゃんと触ったことがない……。