やっぱり怒ってるみたい。
階段をおりていくと、耳に届く声も段々と大きくなる。
1階に着いてから、周りをきょろきょろするしずちゃん。
「どこにいるんだろ」
すごく冷静だ。……何か知ってるんだよね?
「多分……浴室だと思う」
教えたけれど、そこへ行く気にはなれない。
ケンカをしているのなら止めたほうがいい。でも、“怖い顔をした彼らを見たくない”という気持ちもあって……。
歩みを進めていたしずちゃんは、ためらうわたしに気付いて足を止める。
「果歩?」
「ねぇ……鮎川はなんで怒ってるの?」
さっき聞いた“限界”という言葉が、ずっと気になっている。
鮎川は何に限界を感じていたの?
たずねても、しずちゃんは目を泳がせるだけだ。
それでも返事を待っていると、かたい表情でそばまで来る。
「言わない」
「っ、なんで……」
仲間はずれにされた気分。
さっきの会話では、しずちゃんは理由を知ってそうなのに……。
ユノも気づいているはずだ、とも言っていた。じゃあ、わかってないのはわたしだけ?
不満を顔に出すと、しずちゃんは小さくため息をつく。
「理由を知ったら、きっと……あんたは困ると思う。……だから言わない」
「……困る?」
わたしが困るようなことで鮎川は怒っているの?
「果歩はここで待ってて。わたしだけで様子を見てくるから……」
「あ、でも!」
ひとりで浴室に向かおうとしているから、慌てて横に並ぶ。
「心配だから……わたしも行く」
行ってみれば、怒った理由もわかるのだろう。
困ることだと言われたから、知るのが少し怖い。
でも、ケンカをしているのなら早く仲直りをしてほしい。
ふたりはいつも一緒にいる仲だから……。
階段をおりていくと、耳に届く声も段々と大きくなる。
1階に着いてから、周りをきょろきょろするしずちゃん。
「どこにいるんだろ」
すごく冷静だ。……何か知ってるんだよね?
「多分……浴室だと思う」
教えたけれど、そこへ行く気にはなれない。
ケンカをしているのなら止めたほうがいい。でも、“怖い顔をした彼らを見たくない”という気持ちもあって……。
歩みを進めていたしずちゃんは、ためらうわたしに気付いて足を止める。
「果歩?」
「ねぇ……鮎川はなんで怒ってるの?」
さっき聞いた“限界”という言葉が、ずっと気になっている。
鮎川は何に限界を感じていたの?
たずねても、しずちゃんは目を泳がせるだけだ。
それでも返事を待っていると、かたい表情でそばまで来る。
「言わない」
「っ、なんで……」
仲間はずれにされた気分。
さっきの会話では、しずちゃんは理由を知ってそうなのに……。
ユノも気づいているはずだ、とも言っていた。じゃあ、わかってないのはわたしだけ?
不満を顔に出すと、しずちゃんは小さくため息をつく。
「理由を知ったら、きっと……あんたは困ると思う。……だから言わない」
「……困る?」
わたしが困るようなことで鮎川は怒っているの?
「果歩はここで待ってて。わたしだけで様子を見てくるから……」
「あ、でも!」
ひとりで浴室に向かおうとしているから、慌てて横に並ぶ。
「心配だから……わたしも行く」
行ってみれば、怒った理由もわかるのだろう。
困ることだと言われたから、知るのが少し怖い。
でも、ケンカをしているのなら早く仲直りをしてほしい。
ふたりはいつも一緒にいる仲だから……。