「果歩ちゃん!」

「っ!?」

しつこく聞いてくるしずちゃんに困っていたら、ちょうどユノが声をかけてきた。

「な、何!」

もう、ユノ……タイミング悪いよ。

しずちゃんはわたしたちを交互に見て、ニタァと口元を緩める。

彼女の視線に気づくこともなく、ユノはキラキラした目でわたしだけを見ている。

“ユノ、お願いだから冷やかされるようなこと言わないでよ”と念じていたら、

「果歩ちゃん! 中間では赤点とったんだよね?」

……え。

「鮎川が言ってたんだ! 一緒に補習を受けたって!」

「ちょっ、そんな大きな声で言わないで!」

“赤点をとった”って言葉に反応して、周りにいた子たちがこっちを向いた。

慌てて止めに入ると、

「勉強会しない!?」

ユノは満面の笑みで身を乗り出してくる……。