「あのさ、」
「うん」

「今度フローリア嬢の家に行く時は僕が迎えに行ってもいいかな」

 え! ジルベルト様が?!

「ダメかな?」

「ダメじゃ、ない。でも遠回りになるんじゃ、ない?」
「問題ない。ちょっとのことだから。一緒に行こう」
「うん」

 わぁ。ドキドキする……ジルベルト様がうちにくるの?! どうしよう!

 公爵夫妻にお会いするんだからちゃんとドレスアップしなきゃいけないし、あ! だからエスコートをしてくれるのかな。そうだ、そうだ。

 ******

「あら。気合が入っているわね」
「だって公爵家に行くんだしちゃんとしなきゃ、もう来るな! って言われたら困るもん」

「いつもより準備が早いんじゃない? まだ時間に余裕があるでしょう?」

 お母様と話をしていたら馬車の音が聞こえた!

「ジルベルト様かも!」

 エントランスへ行くとお母様の友達だった……流石に早いか……次々とやってくるお母様の友達。顔を合わせたので挨拶をしてお話をすることになった。すると……

「お嬢様、ロワール伯爵子息がお迎えに来られましたよ」

「はいっ!」

「お迎えが来たので失礼しますわね」