「僕もルシアンと居るとよく言われてたよ。でも言わせたい奴には言わせとこうと思った。天才の金魚の糞だの忠犬だとか言われたな」

「それは酷いですね!」

「そうだろう? でもそんな事を言う相手と仲良くする必要はないって思ったし、僕は王都にずっと住むつもりもない。繋がりは大事だけど卒業後は同世代だけの付き合いじゃなくなるから、ふるいにかけていると思えば良い」

「ジルベルト様すごい! 卒業後はお付き合いの範囲も広がるものね。学園時代の交流も大事だけど、その先はもっと長いものね」

「そう言う事。オフィーリアに嫉妬しているんだよ。でもきっと後から後悔することになると思う」

 テラスに着くとすでにフローリア様とルシアン様は席に着いていた。

「なぁに、二人とも楽しそうね。遅かったから来ないかと思ったわよ」

 フローリア様に言われた。

「遅れてすまない。色々あってさ」
「何? 何かあったの?」

 そうだ。ジルベルト様はなんで外にいたんだろう。

「大したことじゃないよ。でも楽しく過ごすことはできたよね、オフィーリア」
「ふふっ。そうだね」

「あら、妬けるわ。そうだ、今度のお茶会なんだけどね――」

 なんとフェロウズ公爵夫妻が帰ってこられるということで紹介してくれるのだそうです……緊張しかありません!

 ******

「なぁ、ハリーって、オフィーリア嬢と幼馴染なんだろう? いいな。可愛い幼馴染……羨ましいぜ」
「妹みたいな感じだよ……」

 昔はもっと仲良くしていたよな? 最近は余所余所しいというか俺に興味がなさそうだ。学園でもつれない態度だ。

「王太子殿下や公爵子息と親交もあるというし、可愛いし公爵子息との関係はどうなんだ? もしかして内々にそういう関係だからお見合いも断っているのか?」

 なんでもオフィーリアに釣り書きを送っている奴は皆断られたとか?! 

「好きな相手でもいるのかなぁ……ハリー知ってるか?」

「いや、オフィーリアとそんな話はした事ない」

「可愛くて、知り合いが大物。ハリーが婚約したい条件とぴったりじゃないか!」